遺言についてのQ＆A その77
生前に父から遺言書を作成してあるので、そのとおりに遺産を分けるように言われていましたが、不動産を長男である私に相続させるという内容の遺言書になっていましたが、父は生前に既に不動産を売却してしまっていました。ただし、不動産の売却代金は父の預金口座にそのまま入金されて手つかずの状態でした。その場合には、不動産の売却代金にあたる預金を相続することはできるのでしょうか？
相続することはできません。
遺言者が遺言書に「不動産を長男に相続させる」という記載をした場合であっても、生前にその不動産を売却したり贈与することは自由です。
そのような生前における不動産の処分行為は、遺言の撤回にあたるため、長男は不動産を相続する権利はなく、例え不動産の売却代金が全額預金口座に残っている場合であっても、相続することはできません。
ただし、その不動産の売却代金が全額入っている預金口座について、長男に相続させるという遺言書の内容になっている場合や、預貯金は全額長男に相続させるという内容になっている場合には、その預金について相続することができます。
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