相続についてのQ&A その97

父の相続開始後、父が生前に知人からお金を借りていることが判明し、相続財産調査を行ったところ、プラスの財産と借金のどちらが多いかはっきり分からなかったため、相続人全員で家庭裁判所にて限定承認の申立をしました。 父がお金を借りていた知人に対しての通知や官報公告もしましたが、その後の手続きはどのように進行していくのでしょうか?

限定承認申立後の請求申出の公告(官報公告等)をした場合には、その後2か月間は債権者からの申出を待つこととなります。

なぜなら、請求申出の公告期間は2か月以上と法律で定められているためです。

その理由としては、被相続人に対して債権を持っている人に名乗り出るよう促すための期間として最低2か月は必要と考えられているからです。

次に行うこととしては財産管理口座の作成(相続人2名以上の場合)です。

それから、相続財産の換価手続きを行うことになりますが、相続財産が預金である場合には預金の解約をして財産管理口座に移し、不動産があるときは不動産の競売手続き(相続人が買い取りたい場合には、鑑定人の査定額の金額にて相続人が買取ることも可能です。)を行います。

その後は、債権者に対してそれぞれの債権額の割合に応じた配当を行い、請求申出の公告期間経過後に債権者がでてきた場合には、残った財産からその債権者に対する弁済を行います。

上記の手続きをすべて完了しても、プラスの財産(残余財産)が残っている場合には、相続人の間で遺産分割協議をして相続することも可能ですが、また後から債権者にあたる人がでてくる可能性もありますので、残余財産については、しばらくの間は、そのまま残しておくことをお勧めいたします。

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